国内定番CMS「WordPress」「MovableType」メリットデメリット
- columbusproject
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- 2018-08-27
WEBサイトを作りたい初心者の方や、企業やサービスの担当者で、どのCMSを使うべきか悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
CMSとはコンテンツマネジメントシステムの略称であり、ブログやホームページなどのコンテンツを管理したり、発信するための投稿機能があるシステムです。
サイトやホームページを作る時にHTMLやCSS、またはPHPなどの言語を必要としますが、CMSを利用することで、ブログや記事、コンテンツの作成に集中することができます。
今回はCMSの中でも国内定番のWordPressとMovableTypeの比較とメリットデメリットについてご説明します。
WordPressとMovableTypeの違い
はじめに、WordPressとMovaleTypeの違いをお話します。大きな違いの一つがライセンスの有無です。
WordPressはオープンソースであり無料、MovableTypeはライセンスが別れており、有償のバージョンやオープンソース版など、用途によって選ぶ必要があります。
そしてもう一つは普及率による情報量の違いです。WordPressもMovableTypeもCMSとして有名ですが、圧倒的にWordPressに軍配が上がります。
ただし、企業や組織など、個人レベルではない範囲ではMovableTypeのほうが普及している場合もあります。
理由としてはMovableTypeの有償版はサポートが受けられる点が挙げられます。
WordPressについては、プログラム本体が無料ですが、WordPress.comという有料のホスティングサービスを利用しない場合は、有志の集まるサポートフォーラムに頼るしかありません。
しかし、前述したとおりに、WordPressは普及率が高いので、プロアマ問わずにインターネット上に情報がたくさんあります。
そしてページの生成方法にも違いがあり、MovableTypeは静的生成、WordPressは動的生成となります。
使用されている言語にも違いがあります。WordPressはPHP、MovableTypeはPerlです。
詳しい部分はWordPressとMovableTypeのメリット・デメリットの項目にてご説明します。
WordPressとMovableTypeの共通点
WordPressもMovableTypeもCMSとしての基本的な部分は同じです。
HTMLやCSSの知識がなくても、サイトやホームページ、ブログを運営することが可能であり、ページを作成するたびにFTPでアップロードするような作業もありません。
管理画面にログインすることで、新規投稿やデザインの編集、サイトの構成なども含めて、一元管理することができます。
デザインが定まって、概要やサイトの説明などの固定ページを作成した後は無料のブログサービスやSNSなどのように、記事やコンテンツの投稿、商品紹介に集中できるようになっています。
もう一つの共通点はサーバーを必要とすることです。レンタルサーバーか自社、個人のサーバーにインストールしなければ稼働させることができません。
既にメールアドレスやホームページを設置してあるサーバーがある場合は、構築するための勉強や準備をする必要があります。
WordPressのメリット・デメリット
WordPressのメリット
オープンソースであり、ワードプレスの本体は無料、プロアマ問わずに使い方の説明や構築方法などの情報が充実しています。
また、レンタルサーバーを借りて構築する場合に、簡単セットアップのような機能が付随するサービスも増え、構築自体はクリックや簡単な文字入力のみで済む場合もあります。
プラグインを利用することで動的なページの生成だけでなく、静的なページの生成も可能です。その他、プラグインを追加することにより、デザイン面や機能の強化、管理画面やユーザーの管理、オンラインショップを作成するツールなども利用可能になります。
テーマについては無料のものも多いですが、プロが作った有料のテーマを利用することでプラグインだけでは表現しきれないような機能を持ち、独自のデザイン性を感じられるサイトを作ることができます。
WordPressのデメリット
WordPressのデメリットは取り扱い方によっては重くなったり、知識が不足したままテンプレートファイルなどを触ってしまうと動かなくなったりすることです。
HTMLやCSS、PHPの知識や経験がなくともある程度のデザインや機能を扱うことは可能ですが、学び続ける姿勢がないと中途半端でどこにでもあるようなページになってしまいます。
また、情報量の多さはメリットでもありますが、精査する力がないと過去の情報を参照してしまったり、環境や構築方法が違うのにコードやプラグインを適用してしまうことで、エラーが発生し、サイトが動かなくなり表示されなくなることもあります。
「WordPressはHTMLもCSSもPHPもわからなくても使えるよ!」という情報を鵜呑みにせず、学びながら構築や運営を続けることが求められます。
WordPressは動的にページを生成するので、アクセスが増えることでサイト全体が重く感じられる可能性もあります。
静的ページを出力するプラグインやキャッシュに関する知識を持つことで解決できますが、やはり専任の担当者が意欲を持って学習することが必要です。
同時にWordPress本体やテーマ、プラグインの更新が重なった時、思わぬ不具合が起きることもあるので、バックアップや再構築の準備も必須です。
MovableTypeのメリット・デメリット
MovableTypeのメリット
一番大きなメリットとして、有償のバージョンだと公式からのサポートが受けられる点です。MovableTypeを採用している企業が少なくないのもこちらが最大の理由でしょう。
企業によっては予算の都合ではなく、作業スペースや人材の育成、環境を整えるのが難しい場合もあり、広報やPR担当の方が文章や写真を入れ込むだけでサイトが構築されるような仕組みを求める場合もあり、MovableTypeのサポートが有効に働く場合もあります。
MovableTypeは静的にページを生成します。静的ページと動的ページの違いはプログラムがページを表示するためにその都度作成するのが動的ページであり、旧来のHTMLのように既に出力されている状態が静的ページです。
現在はインターネットの回線速度も速いので、動的生成と静的生成のページ表示速度については体感しにくい場合もありますが、やはり静的ページのほうが表示は早くなります。
また、静的ページはアクセスが増えた時の負荷にも強く、安定感があるとも言えるでしょう。
MovableTypeのデメリット
無料で利用できるバージョンやライセンスではアフィリエイトサイトまでしか利用できず、販売サービスや商用利用ができないことです。
MovableTypeがWordPressほどに広まらなかった理由の一つであり、個人や小さな組織のサイトやサービスの利用者が増えないことで、情報のシェアが進まなかったこともデメリットと言えます。
またWordPressと比べてデザインを一括変更するテーマや機能を追加するプラグインの数が少ないことも挙げられます。
オープンソースだからこそ有償無償問わずにテーマやプラグインが開発されるWordPressと比べると物足りなく感じることもあるでしょう。
メリットとして静的ページは表示速度が速いと表現しましたが、新しいコンテンツやページを作成するたびに再構築しなければならないというデメリットもあります。
WordPressとMovableTypeを選ぶ時の基準
考え方としては、サイトやホームページ、ブログなど何を構築したいのか、または自分の立場が法人や個人なのかによって、選ぶ時の基準が変わります。
もう一つが必要とするサイトの規模です。例えば大企業であれば部門ごとに開発者ブログ、商品紹介ブログなど細かく分けてサイトを構築するのであれば、MovableTypeが向いています。
WordPressのメリットでありデメリットなのが、ひとつの目的に対して柔軟にサイトを作れることなので、プラグインを導入したり、サブドメインごとにWordPressをインストールしなければ、マルチサイトの構築が難しい場合もあるからです。
ただ、全く不可能という訳でもないので、総合的に見て考える必要があります。
CMSのシステム面をサービスを運営する側がカスタマイズしない方向性ならMovableType、担当者をおき、新しいテーマやプラグイン、コードの直接記述も含めてカスタマイズを行う方向ならWordPressと考えても良いかもしれません。
まとめ
WordPressとMovableTypeの違いやメリット・デメリットについてご説明しました。
CMSとして比べられがちですが、一長一短というよりも企業や組織、個人やサービスによって取捨選択するのが最善だと思います。
また、法人・個人問わず、公式のサポートだけを頼るのではなく、自ら学ぶ姿勢を持つことで、デザインや機能を充実できるようになり、作成したサイトやサービスを訪れた方に対して良い印象を与えることができます。
どちらも共通して言えるのは「どこにでもあるようなサイトデザイン」にならないために常に改善やカスタマイズしようという意識を持つことです。
サイトやホームページ、ブログを作るということは、発信したい情報や紹介したいコンテンツや商品があるということ。
単純に情報を発信するだけでなく、閲覧する側・ユーザー目線でのデザインやアクセシビリティにも力を入れてみましょう。